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California Journal

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3 荷物第一号

3 荷物第一号

11月26日(金)
「マ~ム!荷物もってきたんだけど、運ぶ前に見てくれる?」
「いいわよ。どうせだから、全部台所に運んじゃいましょう!」

ナデシコが持ってきた台所用品、中地下のゲームルームに運び込んでおいといてくれるだけでよかったのに、マムは早速、台所の掃除を始めてくれました。

「私もすてなきゃいけないものが山ほどあるからね。今からやっちゃいましょう!」

でてくるでてくる、空き瓶の山。マムも空き瓶を取っておく人だったのね!でもナデシコよりも几帳面じゃないみたいだね。だって、フタがないやつばかり。。。それから、クッキーの空き缶の数々。。。ガレージセールで売れるかどうかは分からないけど、店頭に出しておくことにしました。

マムは物に執着しない人だけれど、やはり65を越える世代の人となれば容易に物を捨てたりはしない。ましてや何十年と使ってきたものを捨てることは難しいはず。ナデシコは居候の身なのだから、その辺のところを尊重しなければならない、そう思っていました。

ナデシコが結婚祝いでもらった、タイマーつきの電器鍋と現在マムが持っている電器鍋を比べてみました。どちらを処分するのか決めようということになりました。誰が見たって、ナデシコの電器鍋がまっさらで、要領も大きく、タイマーまでついていて、マムのはタイマーがなく調理と保温のスイッチだけで、コードも一度裂けたのか、テープがまかれています。多分10年以上たっているのでしょう。
「この電器鍋、重宝したのよ。まだ充分使えるしいいやつなのよ。。。」
どうやら処分したくないということをナデシコは察しました。
ナデシコから見たら、その電器鍋ならおそらく、ガレージセールで5ドルの値札をつけたとしても、売れ残るような感じでした。

「マム、せっかく新しいやつがあるし、こっちのほうがいいから、古いやつすてちゃいなよ!」

そんなこと、絶対言いませんよ。ナデシコは。
新品の電器鍋をガレージセールに出し、マムの電器鍋が残ることになりました。

つづく


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